平成25年 6月
No.95

春すぎて 夏来(き)にけらし 白妙(しろたえ)の 衣(ころも)ほすてふ 天(あま)の香具山(かぐやま)
新古今集三(夏)「題不知 持統天皇御歌
いつの間にか、春が過ぎて夏がやってきたようですね。夏になると真っ白な衣を干すと言いますから、あの天の香具山に(あのように衣がひるがえっているのですから)。

生徒たちが冬服から夏服に変わるのを見るとこの歌が思い出されます。 衣替えの習慣は、宮中の行事として始まり、当時は、旧暦の4月1日と10月1日に行われていました。 江戸時代の武家社会では、年4回もあったようです。 明治になってから、洋服が役人・軍人・警察官の制服に定められ、太陽暦が採用されたことで、6月1日と10月1日に衣替えを行うようになり、これが学生や一般の人にも定着していったという歴史があります。

新学期が始まり、いろんな行事が行われ、なかなか授業が進まない状況が続きましたが、この季節の変わり目に勉強のほうも気持ちの衣替えをしていきましょう。 いつの間にかテストが過ぎてしまわぬように。


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