自啓館だより
平成28年 12月
No.136

ずいぶん前の話ですが、高校生を応援するNHKの番組「テストの花道」で、早稲田大学に合格した人の勉強法が紹介されていました。

学校で配られた問題集で、「例題」→「練習問題」→「演習問題」と普通は順番に理解し解いていくところ、「例題」のみひたすら繰り返す! 「練習問題」「演習問題」には手をつけない。 え?それだけ?例題だけ覚えても練習やら応用やら、やらないとダメなんじゃないの?と思う人も多いの思いますが、受験対策に買ったものも「基礎英文法」と「単語帳」だけで、後は授業の復習や、学校のプリント、問題集のみ。 結局応用問題には最後まで手を付けなかったそうです。 そんなんで薬学部とか受かるの? 本人曰く、 「試験に出る難しい応用問題はわずかで、基礎問題が多いから。」 「例題だけは誰にも負けないぐらいやった。」 それも、「問題を見たら例題通りの解法がすぐ出せるぐらい徹底して覚えた。」 それぐらい何度も同じ例題を繰り返し解いてたそうです。 つまり、「基礎が大事」とは「基礎が解けた」「基礎を理解した」ではなく「基礎を解法まで暗記した」「型を体で覚えた」「無意識で出てくる」というレベルなのです。 試験では、基本問題は時間をかけることなく、応用問題にじっくり取り組めたとのこと。

小学校で「九九」を反復練習したと思いますが、もし「九九」という基礎を無意識で答えられなかったらどんな理数試験も時間内に終わらないと思います。 決して才能で「九九」ができたりできなかったりするわけではありません。 また、そういう「型」を無意識に覚えるには、毎回変化のある違う問題をするより、同じ問題を繰り返すほうがより効果的です。 応用問題で伸び悩む人は、基礎となる土台が不十分で、もうそれ以上支えきれなくなっているといえます。 「基礎は出来てる」といっても2階建てのアパートと、10階建マンションとでは土台の基礎レベルが全然違うみたいなものです。 いくら反復練習と言っても、目的意識が希薄では現状維持がせいぜいで基礎の質が上がりません。 この基礎のさらに基礎となる部分は何か? この基礎からつながるどれだけたくさんの連鎖があるか? 反復練習の意味を常に考えながらやらねば、せっかくの時間が勿体無いです。

天才・桜木花道は派手な「スラムダンク」の練習ではなく、地味な「庶民シュート」の練習に明け暮れました。 自分の基本となる「庶民シュート」がなんなのか、これだけは誰にも負けない「基礎」を見つけ、磨きあげることは、大きな成長につながります。 (分かる人だけへ)

「基礎が大事」これほど本質的かつ軽く扱われる言葉もなかなか… いや、本質的なものほど当たり前すぎて軽く扱われるのかもしれません。

《冬期講座期間中の通常授業について》

自啓館では12月23日(金)〜1月7日(土)の期間で冬期講座を行います。 (詳細は冬期講座の案内をご覧ください。) 冬期講座期間中の通常授業は休講となります。 よって、2週間ほど通常授業がない状態となります。

受験生はもちろん、他学年についても2学期の重要な学習内容を冬期講座で復習し、 一人ひとりの現状に合わせて取り組んでいきますので、積極的な参加をお待ちしております。

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