自啓館だより
令和4年 6月
No.202

下は『夏は来ぬ』の歌詞です。 作詞:佐佐木信綱、作曲:小山作之助により1896年に発表された日本の歌曲です。

『夏は来ぬ』
()の花の 匂う垣根に
時鳥(ほととぎす) 早も来 鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ
さみだれの そそぐ山田に
早乙女(さおとめ)()(すそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ
(たちばな)の 薫る 軒端(のきば)
窓近く 蛍飛びかい
怠り(いさ)むる 夏は来ぬ
(おうち)散る 川べの宿の
(かど)遠く 水鶏(くいな)声して
夕月すずしき 夏は来ぬ
五月(さつき)やみ 蛍飛びかい
水鶏鳴き 卯の花咲きて
早苗(さなえ)植えわたす 夏は来ぬ

右は『夏は来ぬ』の歌詞です。 作詞:佐佐木信綱、作曲:小山作之助により1896年に発表された日本の歌曲です。

歌詞では、 ()の花(ウツギの花)や 時鳥(ほととぎす)五月雨(さみだれ)に田植えの早乙女(さおとめ)など、5月の初夏を象徴する季語や動植物がふんだんに織り込まれています。 作詞した佐佐木信綱は古典文学者で、19世紀の古い歌曲ということもあってか、普段聞きなれない表現が多用されています。

歌詞全体の詳しい意味は割愛させていただき、注目してほしいのは、3番の歌詞。 まず前半でミカン科の柑橘(かんきつ)類の一種である(たちばな)の香りが辺りに漂っている様子が描かれます。 後半で「蛍飛びかい 怠り(いさ)むる」とあります。 これは、「 蛍雪(けいせつ)(こう)」の故事をふまえ、 窓の近くに飛び交っている蛍に、夏の夜も怠らず勉学に励めと、まるで(いさ)められているようだ。 といった内容です。

全体を分かりやすく書き換えると、こんな感じでしょうか。

橘の花が香る軒下で
窓の近くで蛍が飛んでいるのを見ると
怠ける気持ちが引き締まる
夏が来たなあ

蛍も飛び交う季節になります。諫められずとも気を引き締めて勉学に励みましょう。

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